電車に乗っていた

ダル重でも用あるから行く

最寄り駅員のくたびれた制服に

同情と情けさな感じて

 

まさに平日昼めいた人の利用

気づいたらもう次の駅で

ピーカンで晴れているし

電車の窓がスクリーンになる

映り込む生徒は

開いたドアから

春前の強い風と共に乗り込む

 

海がすぐそこだから

ここの橋はとびきりイカつい

人間様様みたいでうるさい

けれど河は青緑だもんで

空となんかしらの生物含んで

大海原へながれてゆく

あたしもここへ入ったら

いつかどこか知らない国の

岸にでもたどり着くんだろうか

その前になんかに喰われたり

腐ってボロボロになるのかな

そんなの夫は悲しむやろな

 

しにたいわけではなかったけれど

そんなことを考えて

あたしは電車に乗っていた